ニンジャスレイヤー二次創作本の感想とか(3)

前回までの続きです。

『Light to Shine out of Darkness』(ふがふがビレッジ)
sktmさん、ほか合同本 / ニンジャ万博

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忍殺全編を通しても最もドラマチックな物語のひとつ、「レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド」のニスイと2人の父親をテーマにした合同本。驚くことにTwitter連載からわずか3ヶ月足らずで刊行された本作は、多くのヘッズがこのエピソードから受けたショックを、そのままの熱量で再現しています。確かに、あのシチュエーションには語られていない余白が、特に登場人物たちの過去に関して多分にあって、創作意欲をくすぐる感じはすごく分かります。

内容は小説とマンガが半々くらい。sktmさんは界隈では突出して上手い作家さんだと思うのですが、本作ではデフォルメされたキャラのほうの作風(ナラクおじいちゃん!)ではなく、あくまでシリアスなショートストーリー。他の作家さんの作品にも共通するのは、ニスイを育てるのに、2人の父親がとても苦労をしながら、しかし愛情を持って接してきたのだなあという点。父子で様々な問題を乗り越えてこその、あの本編のクライマックスなんですよね、きっと。
また、珪素さんによる付録の小論が、作中に出てくる小悪党「NSTV第三制作部長」に着目するという極めてマニアックなもので最高です。読んでいてすごく感心してしまいました。

『じょしばな』(イカジャーキープレス社
しまださん / 2014年冬コミ

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これは美麗なイラストとともに、装丁がとてもきれいな本!ニンジャスレイヤーの様々な女子キャラを扱った、イラストとマンガ集です。ヤモトやナンシー、ユカノといったお馴染みの面々から、「グッド・タイムズ~」のキカ・ヤナエやイビルヤモトのような通好みのキャラクターまで、バラエティに富んでいて楽しめます。

エーリアスとブレイズのイラストが、ページを挟んで対になっていたり、細かいところまですごい…。マンガパートは、コミカルなのも面白いのですが、表紙にもなっているパープルタコの話で、シテンノの心の繋がりの深さと、ディセンション以前の秘められた過去、あるいは4人の心象風景?を匂わせるようなラストのコマが印象的でした。

『サークルS(シマナガシ)パンクス』(OEPPU
沖ノ島げろり庵さん / ニンジャ万博

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もしもサークル・シマナガシ全員がコンビニ店員だったら…という最高の一冊。まずフィルギアの店員姿が似合いすぎてて笑います。原作の余白を穴埋めするような二次創作も好きだけど、ここまで吹っ切れたパロディなんかも同時に成立するのは、どの登場人物もキャラが立っている忍殺ならではだなあと。

主に出てくるのはスーサイド。彼はきっと根は生真面目だし、コンビニバイトなんかは無難にこなすんでしょうね。で、いろんなお客さんが来るんだけど、イグナイトとワイルドハント、センチピード&ガントレットとかが普通に遊びに来るのがシュール!と思ったらシャーテックの面々まで出てくるし。げろり庵さんのかわいいキャラ同士が自由奔放に会話しているの、眺めているだけで楽しい。それにつけてもフィルギアの表情がツボです。

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