「ニンジャ万博」に行ってきた

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いわゆるマンガ同人誌の世界に足を踏み入れて、もう干支ひとまわり分くらいになるけど、オンリーイベント系の即売会というものに一般参加したのは初めての経験でした。小規模ながらも、ファンの人たちの作品に対するラブとリスペクトが熱気となって渦を巻く、すごく刺激的な一日だった。参加するにあたっての事前のあれこれは、前回の記事(「ニンジャ万博」に参加します | EPX studio blog)の通り。

ニンジャ万博(略称:にんぱく)」は、『ニンジャスレイヤー』のファン有志による単発のオンリー即売会。6月15日、会場は、東武東上線大山駅の板橋区立グリーンホールというところ。ちょうど一般的な会議室1~2室分の広さに、計40近くの参加サークルと委託スペース、イベントスペースが配置されていました。

コミティア的なまったり感を想定して、イベント開始1時間後くらいに着く感じで出かけてみたら、これが大盛況で。昼12時の時点で入場待機列こそなかったものの、その後まもなくして入場パス、カタログも売り切れたようです。本のほうも早いところはちらほら完売が出ていて、あわてて、気になっていたサークルさんの本を買い集める。

参加者のみなさんは老若男女さまざまで、ファンの層の広さを感じた。というか、書籍化・アニメ化が進行しているとはいえ、世間的にはまだまだマイナージャンルの『ニンジャスレイヤー』コンテンツの読者が、Twitter上だけではなくこんなにも実在するんだというのは、新鮮な驚きでした。コスプレ参加者もけっこういて、なんだかお祭りっぽい雰囲気。

参加させていただいたアンソロジー本も、無事受け取ることができました。主宰のヌーヌさま、他の参加作家のみなさま、ありがとうございました。ほか、購入した本などをざっと列記します。ものすごい力作ぞろい。読みおわったらレビューというか、ちゃんと感想を書きておきたいな。

  • ちくわ大明神(ぬぬ山ヌーヌさん)『フーリンカザン』
  • ふわふわ壁ルーム(うさぎのかぶりものさん)『ニャンコクトン・ジツ!』
  • 森林博物館(ささささん)『epicurean!』
  • 罪罰画業組合(北浜勇介さん)『パンチライン・ライク・ア・ZBR・オーバードーズ』
  • ふがふがビレッジ(sktmさん)『Light to Shine out of Darkness』
  • 聖なるバイオヤマブシ(しんさん)『ニンジャのドグラップ』
  • 1.8次元(ひろしさん)『鉄火箸』
  • TWO-PAGE&ヤラカシタ・エンタテイメントさん『い・け・な・い ニンジャガールズ』
  • 沖ノ島げろり庵さん『サークルS(シマナガシ)パンクス』
  • 同上『トモダチのツルに/足が生えていた』
  • 同上『アフターマスのなんか』
  • 同上『ネオサイタマ駐屯組のなんか(冬)』
  • マグロポットマート(Noteさん)『赤黒のバイエル』

14時からは、イベントスペースで野良修さんによる「ニンジャ紙芝居」。なんと第1部の「レイジ・アゲンスト・トーフ」を題材にした自作の紙芝居ショー!これ、50名限定の前売り券を逃してしまって、でもすっごく観たくて開始時間まで粘っていたら、立ち見で鑑賞することができました。同じように集まった人々が立見席の後ろまでぎっしりで、始まる前から異様な熱気と興奮。

2部に登場するザイバツニンジャ、パープルタコに扮した野良さんの巧みな語りと、無限軌道オニギリさんの描かれた力強くもツボを押さえたイラストで、めちゃくちゃ盛り上がりました。特に、クライマックスのムーンウォークのシーンは大喝采!まず紙芝居にこのエピソードを採用したこと自体が文句なく大正解でしたね。

ニンジャスレイヤーの登場シーンでは、紙芝居をめくるタイミングに合わせてみんなで「Wasshoi!」とシャウトしたり、ビホルダーをインタビュー(=拷問)するシーンでは、何度もカラテチョップを反復しては声を合わせて「イヤーッ!」と叫んだり…普段の#njslyrタグでの本編実況時の興奮がそのまま再現されたような、特別な体験でした。

考えてみれば、Twitterタイムラインでの不定期な連載それ自体が、どことなく昔の紙芝居屋さんと共通する要素があって、実際に観客として参加してみると驚くほどの親和性を感じました。あっこの感覚か!みたいな。それもこれも、お話と、絵と、演者さんの三要素揃っての賜物なのですが。いやー素晴らしかった。

紙芝居の原画は、終演後に抽選で配布されたほか、Pixivでも公開されています。

「紙芝居「レイジ・アゲンスト・トーフ」」/「無限軌道オニギリ」の漫画 [pixiv] http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44109030

そんなこんなで、即売会は15時に終了。続いてイベントスペースでは、忍殺世界をテーマにした映像と音楽のショーが始まり、熱気冷めやらぬニンジャヘッズたちで盛り上がっていました。どこからともなく湧き起こるオムラコールとか、流れるように飛びだす忍殺語を耳にしては、みんな重篤ヘッズなのを普段隠して生きているんだろうなぁという謎の感慨が。私は途中で抜けて移動してしまったのだけど、あのあとみんなで「ラブ王侯」を歌ったりしたみたいで、いいなぁーと。

というわけで「にんぱく」、すごく楽しかったです。手作り…アナログのあたたかみを感じるとともに、これもまた来るべき世界的ニンジャ・ムーブメントのほんの序章に過ぎないのだなあと思うと、胸が熱くなるものがありました。ナンカスゴーイ。

「ニンジャ万博」に参加します

ニンジャスレイヤー」という作品にハマっているというのは、このブログでも度々言及している通りなのですが、このほど勢い余って二次創作を始めました。6月15日(日)、板橋区立グリーンホールで開催されるオンリーイベント「ニンジャ万博」にて、アンソロジー企画に漫画を2ページ寄稿しています。

◆ニンジャ万博◆
http://nin89.webcrow.jp/89/top.html

もちろん当日はイベントにも遊びに行きます。というか、本当はサークル参加したかったんだけど、一足遅くてですね。私の知る限り、界隈で有名なサークルさんが軒並み参加されるので、ニンジャスレイヤーを全編読破していない方でも、きっと楽しめるのではないかと思います。

ファン主催によるオンリーイベントとしては、去年も4月に「ニンジャ文化祭」というイベントが秋葉原であって、これはニンジャ万博よりもずっと小規模なものだったようなのですが、私は行きそびれてしまって。で、後にコミックZINでこの文化祭のアンソロ本を買って、これは面白いなあと。

二次創作の経験自体がほとんどないのであれですが、ニンジャスレイヤーならではの特徴ということでいうと、ビジュアル的な設定縛りがかなり緩いんですよね。それこそ、書籍版のイラストにすら準拠する必要はなく(と、翻訳チームがファンアート募集の告知文のなかで宣言している)、実際に、現行の3種類の公式コミカライズはそれぞれ主人公のデザインがまったく違う。

なので、何をもってニンジャスレイヤー的な世界観を表現するかというと、キャラクターのシチュエーションだったり、台詞回しだったり。一方で、何もかも自由にできるかというとそうではなくて、作中には厳然と時系列があるし、設定に関する言及箇所は膨大な各エピソード原文中に散在しているし。またあるいは、キャラクターや舞台背景のデザイン解釈それ自体が作家性の見せどころだったりする。二次創作のハードルとしては、オリジナル作品と同じくらい高いような気はします。ただ、それだけに挑戦し甲斐がある。

個人的な活動としては、上記のアンソロ参加のほかは、散発的にTwitterにイラストを上げたり(ファンが投稿する二次創作イラストには#ウキヨエタグをつけるのが慣例となっています)、先日は書籍のイラスト募集フォームにも1点投稿しました。pixivのほうにいくつかまとめてあります。

ともかく今は、色々な作家さんの表現するニンジャスレイヤーに興味津々で。「ニンジャ万博」、当日を楽しみにしています。