#ユンコアンソロ 企画を始めました

既にTwitterなどではお知らせを開始していますが、今夏のコミックマーケット90合わせでユンコちゃんのアンソロジー本を作ります。RT、fav、参加表明などご反応いただいている方どうもありがとうございます!正式な募集受け付けスタートは2月からになりますが、こちらのブログでもざっくりと企画の紹介をしておこうと思います。

ニンジャスレイヤー ユンコ・スズキ アンソロジー企画「#ユンコアンソロ」(仮)

yokoku

そもそもの発端

去年の「ニンジャ万博-改善」で当サークルが発行した同人誌『JUNK-O-MATIC(ユンコマティック)』では、当時の時点において、単体でユンコを主人公にしたウスイホンがほぼ無かったこともあり、宣伝などの際には分かりやすさを重点して便宜上「ユンコ本」を自称していました。これはなかなかキャッチーだったようで、結果として多くの方に読んでいただくことができました。

一方で、一介のヘッズのイマジナリーである同人誌をもって「ユンコ本」を名乗るのは奥ゆかしくないのではないかという思いもあって、ましてTwitter上にはユンコを描いておられるウキヨエ師の方々がいっぱいいるわけですよ。そうしたものを全部くまなく集めた、ヘッズ集合知としてのイマジナリーユンコの総体こそ、ほんとうのユンコ本に相応しい内容なのではないかということは、当時からぼんやりと考えていました。

またそれとは別に、単純にアンソロジーに参加するの楽しいよね、というのがあって。私自身、2014年のニンジャスレイヤーアンソロ『フーリンカザン』が二次創作を始める直接の動機になったという経験があり、仮に「ウキヨエ(ファンアート)は描いているけど、同人活動はしたことがない/やってみたい」というヘッズの方が多くいるのであれば、そういう方々も巻き込んだ企画ができればいいな、という思いがありました。自分を引き入れてくれたコミュニティに対する恩返しというわけではないけれど、そういう還元のしかたがあってもいいんじゃないかと。

なぜ今ユンコなのか

っていうのはまあ、そりゃ好きだからなんですけど、第一にタイミングに関することが大きいです。告知サイト冒頭でも書いているとおり、書籍の刊行やTwitter連載エピソードで徐々にユンコ・スズキというキャラクターの活躍機会が増えており、かつ公式メディア展開(マンガ化、アニメ化など)がまだ当分先だろうということから、ヘッズの方々に自由なイマジナリーをお願いするなら今がチャンスなのでは?というわけで。

そしてまた、ユンコではない他のキャラクターに関しては、それぞれに詳しい…というか独自に掘り下げているヘッズの方がいらっしゃるので、自分が企画して何かやるなら、ユンコかなーみたいな。まだ新しい切り口の創作がいろいろとできるはずの、ある意味では汎用のSFサイバーパンク題材であって(だからこそ、ボンモーは当分ユンコをお話から退場させないだろうという謎の安心感がある)、いろんなタイプの二次創作を見てみたい。そういう興味ゆえでもあります。

ものすごく余談ながら、私ウキヨエでは女の子のキャラばっか描いていますが、ユンコに対してはいわゆるキャラ萌えという視点ではないのです、多分。なんですかね、造形とかではなくて、ボンモーの生み出す物語やセリフのひとつひとつが好きなので、キャラ自体に対しては一歩引いて見ている自覚があります。どうでもいいですね。
そうだ、あと私ニンジャスレイヤーと出会う前にやっていた一次創作で、ユンコによく似た半人半メカのパンクな女の子が戦うマンガを描いていたので、そこの親近感は多少入っているかもしれません。なおさらどうでもいいですね…。

ユンコ二次創作はこんなにおもしろい

お勧めしやすいなと思う点のひとつは、ユンコの登場エピソードはさして多くないため、ニンジャスレイヤー本編すべてを読み切れていないヘッズの方々にも気軽にご参加いただけるんじゃないかというところです。変な話、『レプリカ・ミッシング・リンク』さえ読んでいれば大体ユンコに関するアイコニックな要素は余さず把握していただけるはずで、それだけでも全然二次創作いけると思うんですよね。

で、更には前述のように、いろんな切り口があると思うんです。シャドウウィーヴ(レイジ)との関係性は言うまでもなく『フェアウェル~』で急浮上した概念で、まずこれだけでだいぶ掘り下げていく余地がありますね。あとナンシー=サンとの師弟関係というか、母娘でも姉妹でもない繋がりも面白くて、本編で描かれていない部分を補完できる見込みがあるように思われます。
単体でも十分に魅力的なキャラクターなので、いかにその魅力を伝えるかというのも勝負どころではないかと思うのです。比較的、外見に関する細かい描写が出そろっているため、それを個人のセンスでどう表現するか…。

あとですね、おそらく、いわゆる美少女キャラのように描く必要も私は全然ないと思っていて。要するにユンコのいう「私はカワイイだッ!」は、両親から受け継いだミーミーとしての自分の肉体、さらには自分が選び取った生きかたとしてのファッションにアイデンティティを見出すという話であって、見てくれがいいという意味ではないわけですよ(そして、モーゼズの言うように「カワイソウ」のニュアンスも多分に含まれている)。

だから、サイバーゴスとしてスクールカーストの底辺にあって、ヘイトディスチャージャーらとクラブに入り浸っていた時期にはそれなりの闇を抱えていたはずで、そこを掘り下げていくのもユンコというキャラならではの面白みだと思うんですよね。で、その対極に位置する、究極のアイドルたるモーターカワイイ概念との間でのアンビバレントな自我について、大いに悩むことになる。例えばそういうことを二次創作でどう表現するかって、難しいけれど挑戦し甲斐があると思うのです。

個人的には、オムラの思想が大好きなので、サイバー感や重工感を盛り盛りにしたユンコも見てみたいし、あるいはいまだ明かされないピグマリオン・コシモトやエシオらを踏まえたコトダマ空間についての解釈に迫るような作品も見てみたい。ハードなエピソードの隙間の、気の抜けたような日常風景も見てみたいし、まったく別の時空のユンコ概念も見てみたい。それはイラストでも、マンガでも、小説やもしくは評論のようなかたちでも大歓迎です。

というわけで

しよう!

ニンジャスレイヤー ユンコ・スズキ アンソロジー企画「#ユンコアンソロ」(仮)

参加者様の正式な募集(参加事前登録)の受け付けは2月からを予定していますので、そちらが始まる際にはまた、アナウンスしたいと思います。なにぶん、アンソロを主催するのが初めてなもので、ここどうなってるのよ的なことがありましたら、遠慮なくご指摘ください。また、ご不明な点などもお気軽にお問い合わせいただければ。告知サイトのフォーム経由でも構いませんし、私あてに直接ご連絡いただいてももちろんOKです。

まあ、言っても〆切は6月中旬くらいとそれなりに余裕があるので、じっくりご検討いただければ幸いです。私もまだ何を描くかまったく決めていません。どうしようかなー。

そんな感じで、ドーゾよろしくお願いいたします!

【C89】冬コミありがとうございました

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Twitterであれこれ書いておりますが、改めまして冬コミでブースに来て本を手に取っていただいた皆さま、どうもありがとうございました。同人誌の制作中はひたすら壁打ちのように孤独で終わりの見えない日々でしたが、毎度のことながらこうして終わって数日経ってみると、参加してよかったなという実感がじわじわと湧いてきます。

新刊『コトダマ・コンフィデンシャル』は、おかげさまで午後2時を待たずに搬入分すべて完売しました。遅くに来ていただいた方には申しわけなく。夏コミのときのコピー本の倍以上、にんぱく改善のときとほぼ同数を用意していましたが、おかげさまで通販分を残さずに売り切ってしまいました。増刷はどうしようかな…いまのところ予定はありませんが、様子を見て考えます。

ブースでは、TLで拝見しているいろいろなヘッズの方、またにんぱく&夏コミ以来の方々とアイサツできて嬉しかったです。私がそもそも社交的なほうではないため、お会いできても気が付かなかったり、きちんとお話ができなかったところがだいぶありそうです。また次の機会に…というか、バタバタしがちな即売会以外でも、気兼ねなくニンジャの話ができる機会があるといいですよね。

また、ブースで売り子のお手伝いをしてくれた友人のおかげで、欲しかった新刊もひと通り手に入れることができました。ペーパー類を除いてもニンジャだけで27作品…。読むのもなかなか時間がかかりそうですが、例によって #ウスイホン感想 タグにでもぽつぽつと感想を上げていこうと思っています。

それにしても、即売会のたびに思うのは、ニンジャヘッズの層って老若男女幅が広いなあということ。大手ならともかく、マイナージャンルでこれだけサークル&一般参加者の層が偏っていないジャンルというのも珍しいような気がします。
創作物のタイプもさまざま。今回、一段と目立っていたのはショゴヤモ&シマナガシのような特定クラン二次創作の充実ぶりと、「ニンジャ学会誌」と「ニンジャ週刊誌」のようなキャッチーな考察系コンテンツ、それにベテラン作家さまも新規参加サークルも入り乱れたバラエティの豊かさでしょうか。去年の冬コミと比べても、すごく賑やかになりましたね。このあたりはやっぱり、アニメイシヨン効果もあるのかな。

そうそう、参加させていただいたショーゴー×ヤモトアンソロジー『章恋花』も実物を献本いただきまして、なかなかのボリュームのため全部は読み切れていませんが、素晴らしいご本ですよ…これ!うまく説明できないんですけど、端的に言って、めちゃくちゃキラキラしています。次回頒布や通販の開始については、アンソロ企画公式サイトをご確認ください。

コミケ終了後は、突発で新橋でのニンジャ学会さんの打ち上げに参加させてもらいました。楽しかった…。さすがに重篤ヘッズの集まりだけあって濃度の濃いニンジャ話が飛び交っていて、さながら自我科の待合室でした。いやーああいう話がしたかった。
二次会では、別のヘッズのグループとも合流して、結局即売会6時間に打ち上げ6時間、足掛け12時間ニンジャ漬けの一日でした。帰りの電車で『グラウンド・ゼロ、デス・ヴァレイ・オブ・センジン』の更新が来て、帰宅するとブロゴの更新も来るという濃さ。オツカレサマドスエ!

というわけで、今年も一年お世話になりました。年明けの次の記事では、既に今回の新刊『コトダマ・コンフィデンシャル』をお読みいただいた方向けに、本の内容と制作過程について、(蛇足であることは承知のうえで)少しだけフォローアップをしてみたいと思っています。

【C89】ショゴヤモアンソロジー企画に参加しました

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冬コミ関連のお知らせです。サークル「Gフラクタル」10区さんが主催するニンジャスレイヤーのショーゴー×ヤモト合同本『章恋花』に、2ページ漫画で参加させていただきました。詳しくは企画の公式サイトでご確認ください。

ショゴヤモアンソロジー企画
http://syogoyamo.sakura.ne.jp/

ニンジャ合同本では、去年「ニンジャ万博」合わせの『フーリンカザン』に参加させていただいたことがありますが、今年は夏コミでも何もなかったので、冬は参加してみたいなあと思っていたところ、ショゴヤモ本企画のお知らせを見つけました。夏はコピー本でもほんのりショゴヤモ風味のなにかを描いていたので、このお題ならやってみたいなと思いまして。

ただ、いわゆるカップリングものの漫画についてはどこにポイントを絞ればいいのか、あまり分かっていなくて、かえってご迷惑をおかけしてしまうかもというのはありました。結果的に、自分の作品についてはユルめの箸休め的なギャグに逸れてしまったので、深く考えるまでもなかったのですが、それでもちゃんと本のトーンにハマっているかなあというのは不安でもあり、楽しみでもあります。

ニンジャスレイヤーにおけるヤモト・コキとショーゴー(スーサイド)の関係は、作中ではとても繊細なバランスで描かれていて、いろんな視点から解釈することができます。普通にティーンの男女のようでもあるし、同時に、重い宿命を共にする表と裏の関係でもある。詳細には描写されないけれど、それゆえに行間から想像をめぐらすことのできる要素がたくさんあって、イメージが膨らみやすいのかも。

サイトのサンプルを拝見する限り、小説も漫画も盛りだくさんの内容のようで、まずは素敵な企画に参加させていただけて光栄です。どうもありがとうございます!

頒布は冬コミ1日目西1ホールよ-43b「Gフラクタル」様にて。忍殺島のなかでも、特にショゴヤモ濃度の高いサークルさんが集まっているあたりのようなので、お近くを回られるかたはぜひ。年明けインテでの販売や通販なども予定されているそうです。